相続放棄申述書の提出方法と必要書類

こんにちは!

ヤーマンです!

 

前回は相続放棄申述書の書き方・文例について解説しました。

今回は提出方法や必要書類を見ていきたいと思います。

 

相続放棄申述書の提出方法・必要書類

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相続放棄申述書が書けたなら、必要書類と一緒に提出します。
揃えるべき必要書類と提出の流れを解説していきます。

 

必要書類

全ての人に共通する必要書類は、被相続人の住民票除票と申述人の戸籍謄本です。

そして、相続順位により、以下のように必要書類が変わってきますので、パターン別に説明していきます。

 

第一順位である被相続人の子が申述人の場合

被相続人の配偶者や子が相続人の場合は、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本が必要です。

 

孫が相続人の場合は、この書類に加えて、被相続人の子の死亡の記載のある戸籍謄本が追加で必要です。

 

第二順位である被相続人の親が申述人の場合

被相続人の親が相続人の場合は、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本と、第一順位の出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要です。

 

祖父母が相続人である場合は、この書類に加えて、被相続人の親の死亡の記載のある戸籍謄本が追加で必要です。

 

第三順位である被相続人の兄弟姉妹が申述人の場合

被相続人の兄弟姉妹が相続人の場合は、親が相続人の場合の書類に加えて、被相続人の親の死亡の記載のある戸籍謄本も必要となります。

 

兄弟姉妹の子、つまり、甥や姪が相続人の場合は、被相続人の兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本が追加で必要です。

 

このように見ていくと、相続人によって集める戸籍の範囲がかなり違うように思えますが、共通しているのは、自分が相続人であることを証明できるのに十分な戸籍を提出する必要があるという点です。

 

この点を抑えておくと、どの範囲の戸籍を集めていけばよいのかが分かりやすくなります。

 

ステップ1 管轄の裁判所に提出

それでは、提出の流れについて解説します。
まず、管轄の裁判所に相続放棄申述書と必要書類を提出しましょう。

 

管轄の裁判所は、申述書の部分でも書きましたが、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所になります。

 

提出の際には、申述人1人につき800円分の収入印紙と連絡用の郵便切手を添付します。
郵便切手の料金は管轄する裁判所によって異なりますので、裁判所に事前に確認しておきましょう。

 

ステップ2 相続放棄の照会書と回答書に記載して返送

相続放棄の申請が受け付けられると、相続放棄の照会書と回答書が裁判所から送られてきます。

 

相続放棄はとても大切な手続きですので、本当に自分の意思で申請していますかというお尋ねです。

 

回答書には、被相続人の死亡を知った日、把握している相続財産の内容、生前の被相続人とのかかわり、相続放棄をする意思は変わらないかといった点が確認されます。

 

この回答書に基づいて、申請に矛盾がないかなどが判断されますので、1つ1つ慎重に記載していきましょう。

 

ステップ3 相続放棄申述受理通知書が家庭裁判所から送られてくる

相続放棄が無事に認められると、相続放棄申述受理通知書が家庭裁判所から送られてきます。

 

この書類は、相続放棄が正式に認められたことの証拠となりますので、大切に保管しましょう。

 

受理通知書が届くと、相続放棄を第三者に証明するための書類である相続放棄の受理証明書も請求できるようになります。

 

申請書に必要事項を記入し、1通につき150円分の収入印紙を添えて受理をした裁判所に提出することで発行してもらえます。

 

被相続人の債権者から督促を受けたときでも、相続放棄受理証明書を見せれば、それ以上請求をうけることはなくなります。


相続放棄申述書を提出する際の注意点

相続放棄申述書の提出方法と必要書類について解説してきましたが、提出の際の注意点についても、簡単に説明していきます。

相続放棄の期限に注意

まず、相続放棄には期限があります。
相続があったことを知った日から3か月以内です。

 

相続放棄をしたいときには、期限が過ぎないように、スピーディーに書類を集め提出する準備をすることが大切です。

 

相続放棄をすると次順位の相続人に相続権が移る

相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権が移ります。
もし、被相続人に多額の借金がある場合、次順位の相続人が借金を引き継ぐ可能性も出てきます。

 

後々のトラブルを防ぐためにも、相続放棄をするときには、次順位の相続人にそのことを事前に伝えておくようにしましょう。

 

後から撤回はできない

いったん相続放棄をすると、撤回をすることは基本的にできません。

 

後からやっぱり相続したいと思っても取り返しがつきません。

 

特に他の相続人から勧められたからという理由で提出を考えている場合には、今一度それで良いか確認してから提出するようにしましょう。


相続放棄申述書作成を専門家に依頼するメリット

相続放棄申述書の作成はそれほど複雑ではないので、自分で行うこともできます。

 

それでも、専門家に依頼すると次のようなメリットもありますので、幾つかご紹介していきます。

 

手続きをスピーディーに行ってくれる

相続放棄ができるのは、相続があったことを知った日から3か月以内です。

 

たとえば、相続放棄の期限まで1か月をきっていて、自分で書類を揃えていたら間に合ないという場合には、専門家に依頼してみましょう。

 

手続きに慣れているので、期限に間に合わせるよう手を尽くしてくれます。

 

もちろん、自分のできることは行って協力しましょう。

 

期限を過ぎてからの相続放棄も可能になるかもしれない

相続放棄の期限を過ぎてから、被相続人が多額の借金をしていたことが判明した場合、借金の存在を知ったときから3か月以内であることを証明できれば、相続放棄が認められるかもしれません。

 

このようなケースでは、専門的な知識が必要になります。
専門家に相談すると、自分では無理だと思ったケースでも、思わぬ道が開けてくるかもしれません。

 

手続きの選択についてアドバイスをくれる

相続放棄を申請して一度認められると、それを撤回することは基本的にできません。

 

財産の額がまだ良く分からないけど、借金がありそうなので、相続放棄をしておいた方が良いかもしれないというケースがあったとします。

 

そのようなときには、限定承認という手続きを選択した方が良いこともあります。

 

専門家に依頼すると、状況にあった手続きの方法についてアドバイスをくれるので、後で後悔することなく手続きを進めていくことができるようになるかもしれません。

 

必要書類が多いときに代わりに収集してくれる

相続放棄の必要書類はそれほど複雑ではありませんが、相続人が兄弟姉妹の代襲相続人(兄弟姉妹が既に亡くなっているためその子が相続人になる場合)のケースでは、戸籍の量がかなり多くなります。

 

戸籍を集めている間に、期限がきれてしまうということも想定できます。
専門家に依頼するなら、大量の戸籍謄本を確実に集めてくれます。


まとめ

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相続放棄は期限さえ守ることができれば、それほど難しい手続きではありません。

 

裁判所のホームページに書き方のサンプルも載せられていますので、参考にしながら自分で書き進めていくこともできます。

 

とはいえ、期限まであと少ししか時間がなかったり、相続放棄の期限を過ぎた後に借金が見つかったりした場合には、専門家に依頼することをお勧めします。

 

お近くの弁護士や司法書士に気軽に相談してみましょう。