成年後見人に種類ってあるの?後見人、保佐人、補助人の違いは?

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こんにちは!

ヤーマンです!

皆さんは、成年後見人という制度があることをご存知ですか?

先日、遺産分割協議の話をしましたが、認知症や知的障害などで判断能力がないとされる方は、遺産分割協議に参加することができません。

その場合は成年後見人が必要となる場合があります。

今回は成年後見人とは何か?その種類はどんなものがあるのか?について説明していきます。

成年後見人の種類は2種類ある

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成年後見人は「法定後見人制度」と「任意後見人制度」に分けることができます。

「法定後見人制度」では、本人の判断能力が乏しい場合、家庭裁判所が後見人を選任します。

それに対して「任意後見人制度」では、本人の判断能力が十分な場合でも、後々のことを考えて本人が自分で後見人を専任することができます。

法定後見人制度

法定後見人制度のメリットとしては、「取消権」があるということです。

判断能力の無い方のもとにセールスマンが来て、高価な布団や壺を購入させられた場合は困りますよね?

成年後見人を選任しておけば、その売買行為を取り消すことができます。

デメリットとしては成年後見人を自由に選ぶことはできないことです。

家庭裁判所が第三者を後見人に指定することとなるので、本人の親族でなく弁護士や司法書士などの専門家から選任される場合が多いです。 

また、一度選任された後見人を、気が合わないからといって気軽に解任することはできません。

どんな人が選任されるか分からないので、親族ではない人とコミュニケーションをとるのがストレスに感じる場合もあります。

任意後見人制度

任意後見人制度とは本人が判断能力をなくした際に、財産の管理や身の回りの世話を誰にしてもらうのか事前に決めておく制度です。

誰を選ぶか自由に決めることができ、その内容も事前に決めておくことができます。

例えば、「判断能力が亡くなった場合は生活費はこの通帳から出してほしい」、「知り合いのいる施設に入居させて欲しい」 といったことも可能です。

しかし、法定後見人制度と違い、取消権を持つことができません。

セールスマンが来て高価な布団や壺を購入させられた場合でも、その行為を取り消すことができるわけではないので注意しておきましょう。

法定後見人の3つの種類

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法定後見人制度の中には、さらに3つの種類があります。

  • 成年後見人
  • 保佐人
  • 補助人 

ここでは、上記3つの法定後見人の種類について説明していきます。

成年後見人

成年後見人とは、認知症や知的障害などで判断能力のない方を支援するために、家庭裁判所から選任されたとのことをいいます。

判断能力がほとんどない方に適用されるもので、3つの法定後見人の種類の中でも最も重い類型となります。

判断能力が失われてしまうと、日常生活を営むことですら困難となります。

そのため、成年後見人を選任し日常生活を広範囲に保護することとなります。

保佐人

判断能力が相当程度低下してしまった人には、保佐人が選任されます。

保佐人は法定後見人の3つの類型の中で中間に位置するものです。

判断能力が低下している方は、日常的な生活は一人でできていても、重要な法律行為を行うことには不安な場合があります。

重要な法律行為を保佐人が支援することによって、本人を保護することを目的とした制度です。

具体的には、本人が保佐人の同意なく、単独で不利益を被るおそれのある契約をした場合はそれを取り消すことができます。

補助人

判断能力がある程度低下してしまった人には、補助人が選任されることとなります。

法定後見人の3つの類型の中では最も軽い類型にあたります。

判断能力が低下している方の日常生活においてはほとんど問題がない場合でも、一人で行うには少し難しい事柄について、保佐人に必要な範囲で権限を付与することができます。

被保佐人は、本人の財産の管理をしたり、特定の法律行為を本人に代わって行うなどの支援をすることができます。

まとめ

成年後見人制度といってもその種類は様々です。

「法定後見人制度」と「任意後見人制度」に分かれており、「法定後見人制度」の中には判断能力の度合いによって「成年後見人」「保佐人」「補助人」に分けられます。

「法定後見人制度」では代理権や取消権が与えられているので、本人の周りに法律行為をしたり、法律行為を取り消すことが可能です。

「任意後見人制度」では、誰を選ぶか自由に決めることができますが、取消権は与えられていません。

成年後見人制度を検討している方も、どのような制度を利用すればいいかわからないという方が多いです。

そのような方は、一度専門家に相談してみましょう。