こんにちは!
ヤーマンです!
贈与も相続も、財産を子供などの親族に渡すという点では、同じような効果があります。
しかし、生きている間に渡す贈与と、亡くなってから渡す相続では、適用される税金の種類が異なります。
それでは、贈与税と相続税にはどのような違いがあるのでしょうか。
また、贈与を行うのに向いている財産や、贈与した方がいい人があるのでしょうか。
贈与を行い際の注意点も含めて、贈与と相続の違いを解説していきます。
贈与税と相続税の違い3つ
贈与も相続も、最終的な目的は財産を人に渡すことにあります。
ただ、この2つの制度は似て非なるものであるため、贈与税と相続税の計算においても、違いがあります。
はたしてどのような違いがあるのか、確認していきましょう。
財産を渡すタイミングが違う
贈与は、財産を保有する人が自分のタイミングで、渡したい時に財産を渡すものです。
贈与する人は、いつでも財産を渡すことができるだけでなく、どの財産を誰に渡すかも自由に決めることができます。
これに対して、相続は財産を保有する人が亡くなった時にだけ発生するものです。
相続人が話し合いを行って財産を相続する人を決める場合は、相続税が発生する典型的な場合です。
このほか、亡くなった人が生前に遺言書を作成している場合もありますが、この場合も相続税が発生します。
また、亡くなったことを原因として贈与が成立する死因贈与と呼ばれるものもありますが、これによっても相続税が発生します。
相続税が発生するタイミングは、財産を保有する人が亡くなった時だけであるため、自由にコントロールすることはできません。
適用される税率が違う
贈与税と相続税はまったく異なる税金の種類です。
そのため、渡された財産の額をもとに税額を計算するという点は同じですが、その計算方法や税率は異なります。
贈与税は贈与を受けた人が贈与税を負担することとなるため、まずは1年間に受け取った財産の額を集計します。
その後、贈与された財産から基礎控除110万円を控除した金額に対して、税率を乗じて税額を求めます。
同じ人が複数の人に贈与している場合もありますが、あくまで受け取った人ごとに贈与税の計算を行います。
相続税の場合、一度の相続で複数の相続人が財産を受け取ることも多くあります。
相続税は、相続財産の合計額から基礎控除の額を差し引いた後の金額から計算します。
相続人が何人いても、いったん相続財産全体から相続税を計算し、その後に相続人ごとに配分することとしているのです。
なお、贈与税と相続税の税率は以下の表のようになっています。
同じ金額の財産に対しては、贈与税より相続税の方が、税率が低くなっていることがわかります。
贈与税:基礎控除後の金額 相続税:法定相続分に応じた金額 |
贈与税(特例贈与) | 相続税 | ||
---|---|---|---|---|
税率 | 控除額 | 税率 | 控除額 | |
200万円以下 | 10% | - | 10% | - |
400万円以下 | 15% | 10万円 | ||
600万円以下 | 20% | 30万円 | ||
1,000万円以下 | 30% | 90万円 | ||
1,500万円以下 | 40% | 190万円 | 15% | 50万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 | ||
4,500万円以下 | 50% | 415万円 | 20% | 200万円 |
5,000万円以下 | 55% | 640万円 | ||
1億円以下 | 30% | 700万円 | ||
2億円以下 | 40% | 1,700万円 | ||
3億円以下 | 45% | 2,700万円 | ||
6億円以下 | 50% | 4,200万円 | ||
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
税額計算上の控除や特例の制度が違う
贈与税も相続税も、基礎控除という非課税となる金額が定められています。
贈与税の場合は、年間110万円が基礎控除の額となります。
ただ、暦年贈与を行う場合には、毎年この基礎控除を使うことができます。
何年も贈与を受けるのであれば、何千万円もの財産を無税で贈与してもらうこともできます。
一方、相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
相続税の計算を行うのは一度限りですから、その金額が大きくなることはありません。
また、贈与税や相続税の計算を行う際には、その税額が軽減されるような特例制度があります。
贈与税は、祖父母や親の世代から孫や子供の世代に必要なお金がスムーズに移転するように、特例が設けられています。
相続税は、相続人の相続後の生活を守るため、相続税額が大きくなりすぎないような特例が設けられています。
次の記事では、贈与税や相続税にかんする控除や特例についてご紹介をしたいと思います。